ワンランク上の部屋探し!ライフアップのためのお得な家計見直し 確定申告編
こんにちは、ファイナンシャル・プランナーの柿谷隆之です。
今回も「ietta」でお部屋探しと暮らしに係わるお金についてのコラムを書かせて頂きます。
所得と納税
家賃は毎月かかってくるものですので、毎月の給料と家賃の割合は重要です。十分に支払える家賃で希望の部屋を見つけるには多くの部屋を見ることが大事ですし、物件の細かい情報を知るには仲介店舗のアドバイザーに話を聞くことも大事ですね。
ところで、会社員の方が毎月もらっている給料からは通常、収入を元に計算して支払う所得税や住民税が引かれて(源泉徴収)います。
個人毎にどれだけの税金がかかるかを計算して納税するのが確定申告ですが、会社勤めをされている方は通常、勤務先の会社が納税額を計算して納税してくれますので、確定申告は不要です。
会社は今年一年の収入を想定して必要な税額を計算し、それに基づいて給与から一定額を控除しています。最終的に1年が終わって収入が確定すると、控除した額と実際の税金額の精算を行います。これが「年末調整」です。
個人事業者の方などは自分自身で収入と経費を計算し、確定申告して納税することになります。
年末調整のポイント
年末調整の際には税額計算に影響のある各種控除を申告する書類を提出します。
控除に当てはまる項目が有れば、税額を少なくなくすることができますので非常に重要です。
控除項目は複数ありますが、生命保険料を自分で支払っている方は生命保険料控除、住宅ローンを支払っている方であれば住宅借入金特別控除などが受けられます。
地震保険料を支払っている方は地震保険料控除を受けられますが、賃貸アパート・マンションの入居の際に加入する火災保険では地震保険が付帯されていない場合には控除対象にはなりません。
詳しくはお住まいの地域の税務署で相談することもできます。
会社員でも確定申告するとお得になることが
会社にお勤めの方であれば確定申告が不要なことは既に書きましたが、実は確定申告を行うと税金が還付される場合もあります。
その代表例が医療費控除です。
医療費については、年間で10万円以上の医療費が超えた場合(所得額200万円未満の方は「所得金額×5%」の額)を超えた場合、その超えた金額を控除することができます。
ただし、これは年末調整で行う事は出来ませんので、会社員でも確定申告しなければ利用できません。
医療費と言っても、例えば美容整形や美容のための歯科矯正、診断書の代金や予防注射の費用は控除の対象になりません。なお、医療費控除を受けるためには医療費の領収書などを取っておく必要がありますのでお忘れ無く。
他にも控除対象になるものとしては、住宅ローンを組んで家を買われた方の住宅借入金特別控除の初年度の申告があります。住宅借入金特別控除に関しては年末調整の控除項目にもありますが、最初の年だけは確定申告しないと控除になりませんので注意しましょう。2年目以降は年末調整で控除できます。
もう一つ、会社を退職してその年の内に再就職していない場合、在籍していた会社で源泉徴収された税額のうち、払いすぎになっている部分があれば確定申告することで還付されます。なお、失業手当は税金がかかりませんので、確定申告時には失業保険の給付金を収入として申告する必要はありません。
税金について詳しく調べるのはなかなか難しいですが、上手に申告するとお得になる場合もあります。詳しく知りたい時はぜひ税務署などを有効に活用しましょう。還付されたからと言って無駄遣いは駄目ですが、毎日の暮らしを豊かにするお部屋のインテリアなどを買うとのもいいですね。
次回は「ワンランク上の部屋を狙うなら!ライフアップのためのお得な家計見直し その4」をお届けします。
文章:1級ファイナンシャル・プランニング技能士 柿谷隆之
※執筆当時の法令・税制等に基づいて書かれています。