ワンランク上の部屋を狙うなら!ライフアップのためのお得な家計見直し 保険編【FP柿谷隆之のマネーコラム】
こんにちは、ファイナンシャル・プランナーの柿谷隆之です。
今回も「ietta」でお部屋探しと暮らしに係わるお金についてのコラムを書かせて頂きます。
意外と知らない保険の話
「保険入ってますか?」
こう聞かれて皆さんはどうお答えになりますか?
恐らく生命保険や医療保険を想像したのではないでしょうか。
ですが、保険と名の付くものは他にもあります。
例えば、会社員の方が加入している健康保険(社会保険という呼び方が一般的ですね)や、それ以外の方が入られる国民健康保険、他にも労災保険や介護保険、雇用保険もありますし、年金も厚生年金保険、国民年金保険の2種類の公的保険制度です。
公的保険以外にも、自動車の自賠責保険や任意保険、傷害保険や旅行保険、賃貸アパート・マンションにお住まいの方は火災保険にも加入しますし、私達の周りは保険の仕組みで一杯です。
保険に入ることは将来への備えは「リスクの移転」というリスク管理の考え方からも必要ですが、複数の保険に入ると支払いも増えますので、できれば月々の支払いは少なくしたいと考えてしまいます。月々の支払いを抑えられれば、もうワンランク上のお部屋に住み替えることも可能かもしれません!
そこで重要なのが「保険の見直し」です。
まずはリスクを把握する
保険を見直すといっても、いきなり安くすることはできません。
見直しの最初に必要なのは、自分がどんなリスクを保有しているかを知ることです。
例えばこんな方を想像してみましょう。
- Aさん(32歳・会社員)
- 現在独身。恋人がいて近々結婚予定。現在の貯金は100万円。
マイカー1台保有。仕事には使っておらず休日のドライブが主な利用方法。
恋人との旅行は国内海外を問わず年1回以上。
大きな病気をしたことはないが、最近体重の増加が気になる。 - 加入している保険(公的保険を除く)
- ・死亡保険 ・医療保険 ・自動車保険(任意保険) ・火災保険 ・旅行保険
Aさんに限らず、誰でも健康に対するリスクは常に保有しています。自分だけは大丈夫と思っても病気を避けることはできません。また、車を持っているAさんの場合には事故を起こした場合のリスクもありますし、旅行が趣味ということであれば、旅先での病気も気になりますね。
保険を見直す
Aさんは自分の保有しているリスクに対しては適切に保険に加入してリスク移転しています。
次に考えるべきはそれらの保険の内容が適切かどうかということです。
Aさんの加入している保険を見ると「死亡保険」と「医療保険」があります。「死亡保険」は被保険者が亡くなるか、一定の高度障害状態になった時に支払われる保険で、「医療保険」は病気やけがの際の医療費を補ってくれるものです。医療保険は死亡保険の特約として付けることが多くありますが、Aさんは別々に加入しているようです。ここは見直しで月々の保険料が安くなるかもしれません。
また、いざというときの保障がどれだけ必要なのかを考える必要があります。
多くもらえた方が助かりますが、その分支払う額も多くなります。必要な額をカバーできる内容にすることが大事です。
そして、必要額は状況によって変わります。結婚や子供ができて家族が増えれば家族を支えられる保障が必要になります。保険は入りっぱなしではなく常に見直すべきものなのです。
自動車保険(任意保険)は運転する以上は必要かと思いますが、多くの割引が設定されています。車の買い換えを検討するなら割引対象となる装置を備えている車を選ぶと良いですね。また、今後結婚して運転する人に奥さんが加わるなら、家族限定割引も有効です。
ちょっと気になるのが旅行保険です。
Aさんは旅行に行くたびに加入しているのですが、重複している可能性があります。
実はクレジットカードをお持ちなら旅行保険が付帯されていることがありますので、今まで掛けていた旅行保険と内容が変わらないのであればわざわざ加入する必要はないですね。
かなり手厚い公的保険
是非知っておいて頂きたいのが公的医療保険の高額医療費制度です。
健康保険(社会保険)や国民健康保険は、病院で治療を受けた際の自己負担を1割~3割へと抑えてくれますが、それ以外にも1ヶ月あたりの自己負担医療費が一定額を超えた場合に適用される「高額医療費」の制度があります。
例えば標準報酬月額が30万円の会社員の方が1ヶ月で100万円の医療費がかかった場合、窓口負担は30万円ですが、さらに高額医療費制度が適用されると自己負担金は約87,000円が上限となります。
保険に加入してリスクに備えることは大事ですが、適切な見直しで月々の保険料を抑えることができるかもしれません。
新社会人の方や結婚を考えているお二人などは、保険のことも考えつつお部屋探しをするのがいいかもしれませんね。
次回は「ワンランク上の部屋を狙うなら!ライフアップのためのお得な家計見直し その3」をお届けします。
文章:1級ファイナンシャル・プランニング技能士 柿谷隆之
※執筆当時の法令・税制等に基づいて書かれています。